一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine

ごあいさつ

 

理事長 堀内孝彦

 

この度、理事長を拝命いたしました堀内孝彦と申します。何卒よろしくお願いいたします。

本学会は今から88年前の昭和10年(1935年)に設立され、昭和13年(1938年)に日本医学会に第15番目の学術団体として加入した長い歴史があります。設立以来、本学会は、温泉医学、気候医学、物理医学およびその他の理学療法に関する研究と臨床への展開を推進する国内唯一の学会として一貫して活動を続けてまいりました。この由緒ある学会を歴代の理事長、宮下和久前理事長より引き継ぐことになりましたことは大変光栄でありますとともに、その重責に身が引き締まる思いです。

 

 近年の薬物療法、手術療法の進歩によって、従来は治療が難しいとされた疾患の制御も夢ではなくなってきています。その一方で、高齢や並存疾患などの理由で、この進歩の恩恵に浴することができない患者さんがたくさんおられることも事実です。また薬物療法の進歩は医療費の高騰ももたらしています。高齢化時代を迎えた今だからこそ、優しい医療、癒しの医療の必要性が再認識されてきています。温泉を利用した温泉療法、日常生活と異なった気候環境での気候療法、温熱や電気刺激などの物理的刺激による物理療法を活用する意義は今後もますます大きくなることでしょう。本学会では、各委員会、温泉療法医会が会員の皆様方と協力して、わが国の豊富な温泉資源を有効かつ安全に活用できるように知恵を絞ってまいります。

 

 私は今年3月まで大分県別府市の九州大学病院別府病院免疫・血液・代謝内科教授職にありました。その前身は昭和6年(1931年)創立の九州大学温泉治療学研究所です。わが国最初の国立大学附属の温泉研究施設として、現在に至るまで温泉に関わる研究、診療の灯を消すことなく続けています。本学会はこれからも産学官の連携を推進して、温泉、気候、物理療法のさらなる研究を進め、その成果を積極的に社会に発信してまいります。今後とも、一層のご支援とともにご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

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