日本温泉気候物理医学会温泉療法専門医
研修カリキュラム



日本温泉気候物理医学会認定委員会
(平成12年制定、17年改訂)


本学会温泉療法専門医は温泉気候物理医学的診療に関し、一般医師よりも高い水準の知識技能を備えた専門家である。この研修カリキュラムは、医師が本学会専門医になるために研修すべき基本的項目を示すものである。
現時点においては、ここに示す研修項目のすべてを一つの教育研修病院において習得することは困難な場合が多い。その場合は複数の病院において研修を受ける、あるいは学会主催の教育研修会(施設見学)受講により、すべての項目について研修する。

「総論」
1. 一般的項目
  1) 温泉気候物理医学についての基本的な原理、手技を理解し、身につける
  2) 患者の健康状態を管理し、各手技の適応、不適応を判断し、指導できる能力を身につける
  3) 看護婦、PT、OT などのコメディカルと協調する習慣を身につける
  4) 患者の人間性を尊重し、患者および家族との円滑な関係を作り出す態度を身につける
2. 基本的知識、技能
一般的教授目標 GIO、個別的行動目標 SBO
  1) 温泉医学
GIO: 温泉療法の適応、禁忌を理解し、患者に温泉療法を指導できる能力を身につける
SBO: (1) 温(冷)入浴の物理的作用およびそれが生体に及ぼす効果を理解し、疾患への影響およびその危険性を習得する
  (2) 温泉の化学的分類を学習し、その生体への作用、副作用を習得する(入浴、飲泉、鉱泥浴)
  (3) 温泉法および温泉地衛生学について、温泉療法に必要な事項を習得する
  2) 物理医学
GIO: 物理療法の効果と危険性を理解し、各種機器を操作できる能力を身につける
SBO: (1) 温熱(寒冷)の生理作用を習得する
  (2) 各種物理療法の特性を学習し、その生理作用を理解する
  (3) 運動器、神経系の解剖、生理を理解し、運動療法について学習する
  3) 気候医学
GIO:気候療法の適応と禁忌を理解し、患者に気候医学を指導できる能力を身につける
SBO: (1) 気候要素(気圧、温度、湿度、空気成分)の生体および患者への影響を習得する
  (2) 高地気候、海洋気候、森林気候の特色を修得する

「各論」
1. 一般的研修目標
疾患についての基礎的知識を学習し、個々の患者についてもっとも適切な温泉気候物理医学的療法を選択、指導できる能力を身につける
2. 疾患各論
GIO:温泉気候物理療法の適応となる疾患について学習する
SBO: 1) 循環器疾患
高血圧症、狭心症、心筋梗塞、心筋症、不整脈、心不全
  2) 呼吸器疾患
慢性気管支炎、肺気腫、気管支喘息
  3) 神経疾患
脳血管障害、末梢神経障害、神経痛
  4) 運動器疾患
慢性関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症
その他のリウマチ性疾患
  5) 代謝性疾患
糖尿病、痛風、肥満
  6) 消化器疾患
胃炎、胃・十二指腸潰瘍、肝・胆疾患
  7) その他の内科疾患
貧血、腎疾患、心身症
  8) 外科(術後)、産婦人科、皮膚科(アトピー性皮膚炎、乾癬など)等の関連疾患
3. 療法各論
GIO:それぞれの療法の特色と実施の基本を習得する
SBO: 1) 浴療法
温冷浴(全身浴、部分浴)、気泡浴、渦流浴、サウナ、圧注蒸気浴
  2) 温泉療法
温泉浴、飲泉、鉱泥浴
  3) 温熱(ホットパック、パラフィン浴等)、寒冷
  4) 電気療法
低周波、高周波(超短波、極超短波)、超音波
  5) 光線(赤外線、紫外線、レーザー)、磁気療法
  6) 気候療法、森林浴
  7) 海[洋]療法
  8) 運動療法
歩行訓練、関節可動域運動、筋力増強運動、水中運動
    その他
マッサージ、鍼灸療法等

以上