一般社団法人 日本温泉気候物理医学会 The Japanese Society of Balneology, Climatology and Physical Medicine

ごあいさつ

理事長/大塚 吉則

 日本温泉気候物理医学会の歴史は旧く、旧帝国大学の北海道大学(登別)、東北大学(鳴子)、九州大学(別府)をはじめとし、群馬大学(草津)、岡山大学(三朝)、鹿児島大学(霧島)などと、東京大学物療内科が中心となって組織され、温泉医学の診療・研究・教育を行っていましたが、時代の流れとともにこれらの施設は統廃合され、物療内科も温泉医学の研究から離れていきました。そして現在では、温泉医学を中心課題として専門に研究している国立の施設は総て無くなりました。しかしながら、国民の温泉医学に求める期待感は無くなるどころか、ますます高まってきており、日々のストレスからの離脱、超高齢社会における健康づくり・福祉活動などに、温泉を活用した試みが全国で盛んに行われています。

 私たちは従来の温泉療法の実践・メカニズムの研究という、謂わば臨床・基礎医学を行う大学という研究の場を失ったのですが、新たにこの分野に参加してくださる研究者も現れ、今までにない斬新な手法で研究を推し進めています。さらに、健康増進活動・予防医学の領域では、温泉を活用することの意義が認識され、国民のニーズに応えた活動を行っています。

 温泉療法は自然環境の持つ生体機能調整作用を最大限に生かした自然療法の一つです。温泉地の存在する気候環境(保養地気候)も重要で、森林気候、海洋気候、高山気候などにおける気候療法とも密接に関連しています。また、温泉地に存在するリハビリテーション施設では、温泉水の持つ物理療法的要素である浮力・温熱・水抵抗などを利用して、理学・物理療法や水中運動が行われています。

 日本温泉気候物理医学会は、このように多分野の領域で研究、臨床に携わっているメンバーで構成されており、医師、医療関係者のみならず、鍼灸関連の方、運動療法士、健康増進活動を実践している方なども含まれています。

 旧くからある日本独特の温泉療法ですが、時代とともにその役割が変化してきていることも事実です。私どもは医療の一翼を担う温泉気候物理医学の発展を目指すとともに、国民の皆様の健康増進、温泉などの自然資源を活用した町興し、さらにはインバウンドも考慮したニューツーリズムの推進など、新たな分野に向かっても行動していかなければならないと思っております。

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